「撃ったはずなのに当たっていない」「キャラクターがワープする」。オンラインゲームのラグは本当にストレスですよね。
ただ、ラグの対策としてよく勧められる「ゲーミングルーターを買う」「Pingを下げるアプリを入れる」は、原因によってはまったく効果がありません。 まずは原因がどこにあるかを確かめ、お金のかからない対策から順に試すのが近道です。
この記事の結論
- ラグの原因は、大きく分けて 「PC側」「家の中のネットワーク」「回線・サーバー」 の3つです
- 一番効果が大きい対策は、Wi-Fiから有線LANに変えることです
- 夜だけ重い場合は、家の中ではなく回線の混雑が原因の可能性があります
- 機器の購入は、原因を切り分けた後で十分です
そもそも「ラグ」にはいくつかの種類がある
「ラグい」という言葉が指す症状は、実は1つではありません。
| 症状 | 正体 | 主な原因の場所 |
|---|---|---|
| 操作してから反応するまでが遅い | Ping(遅延)が高い | 回線、サーバーとの距離、Wi-Fi |
| キャラクターがワープする、たまに止まる | パケットロス/ジッター(遅延のばらつき) | Wi-Fi、家の中の通信の混雑 |
| 画面がカクカクする | フレームレート(fps)の低下 | PCの性能・設定(ネットワークではない) |
3つ目の「画面がカクカクする」は、ネットワークではなくPCの処理が追いついていない状態です。この場合は、ルーターを買い替えても改善しません。ゲームのfps表示とPing表示をオンにして、どちらの数値が悪化しているかを先に確認しましょう。
原因を切り分ける3ステップ
ステップ1:ゲーム内の表示で傾向を確認する
多くのオンラインゲームには、Pingやパケットロスを表示する機能があります。次の点に注目してください。
- Pingが常に高いのか、急に跳ね上がるのか
- 特定の時間帯(夜など)だけ悪化するのか
ステップ2:ルーターまでの通信を測る
Windowsのコマンドプロンプトで、次のコマンドを実行します(192.168.1.1 の部分はお使いのルーターのアドレスに置き換えてください。コマンドプロンプトで ipconfig を実行した時の「デフォルトゲートウェイ」がそれです)。
ping -n 50 192.168.1.1
家の中の通信(PCからルーターまで)は、正常ならほぼ数ミリ秒で安定します。
- ここで数十ミリ秒以上になったり、ばらついたり、「要求がタイムアウトしました」が出たりする → 原因は家の中(Wi-Fiなど)
- ここは安定しているのに、ゲームではラグい → 原因は回線やサーバー側の可能性が高い
ステップ3:外部のサーバーまでの通信を測る
続けて、外部のサーバーにも同じように ping を送ります(例:ping -n 50 8.8.8.8)。ステップ2と比べて、数値が大きくばらつく場合は、回線側の問題が疑われます。時間帯を変えて測ると、混雑が原因かどうかも分かります。
ここまでの切り分けを図にまとめると、次のようになります。
【家の中が原因の場合】の対策
1. 有線LANにする(最も効果が大きい)
Wi-Fiは、電子レンジや近所のWi-Fi、壁や家具の影響を受けやすく、遅延のばらつき(ジッター)やパケットロスの原因になりがちです。PCをLANケーブルでルーターにつなぐだけで、ラグが解消するケースは少なくありません。
LANケーブルの選び方のポイント
- 規格は CAT6A で十分です。CAT7やCAT8の表記がある製品もありますが、家庭のゲーム用途でPingが目に見えて変わることはありません
- ドアの隙間などを通すなら、薄いフラットタイプが便利です(ただし、平らな構造のためノイズに弱い面があります)
- 長さは「ちょうど」より少し余裕を持たせると、配線が楽になります
定番メーカーの製品から、通常タイプとフラットタイプを1つずつ挙げておきます。どちらも長さや色を選べるので、設置場所に合わせて選んでください。
2. 有線にできない場合の選択肢
ルーターから遠い部屋でどうしても有線にできない場合は、次のような方法があります(詳しくは「離れた部屋で有線LANを使う方法」で解説しています)。
| 方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| Wi-Fiの5GHz帯(または6GHz帯)に接続し直す | 今2.4GHz帯につないでいる人 | 壁が多いと届きにくい |
| メッシュWi-Fi | 家が広く、電波が弱い部屋がある人 | 機器の間を無線でつなぐ場合、有線ほどは安定しない |
| PLC(コンセントを使ってネットにつなぐ機器) | LANケーブルを引けない人 | 家の電気配線によって速度や安定性が大きく変わる |
| Wi-Fi中継機 | 手軽に試したい人 | 安価な製品は通信が遅くなりやすく、ゲームには不向きなことも |
3. 家の中の「通信の取り合い」を減らす
ゲーム中に、ほかの機器や裏で動いているアプリが大量に通信していると、ラグの原因になります。
- 動画のストリーミングや大きなファイルのダウンロードを止める
- クラウドストレージの同期(OneDriveなど)を一時停止する
- Windows Update の「配信の最適化」をオフにする(ほかのPCへの配信を止める設定)
4. ルーターを見直す
- 再起動:長期間つけっぱなしのルーターは、再起動だけで改善することがあります
- ファームウェア(本体ソフト)の更新:不具合の修正が含まれていることがあります
- 古い規格のルーター:Wi-Fi 5(11ac)より前の製品を使っている場合は、買い替えを検討する価値があります
【回線・サーバーが原因の場合】の対策
夜だけ重いなら、接続方式を確認する
光回線でも、夜の時間帯だけ極端に遅くなる場合は、「PPPoE(ピーピーピーオーイー)」という古い接続方式の混雑が原因のことがあります。契約しているプロバイダが 「IPv6(IPoE)」方式 に対応していれば、切り替えるだけで改善する可能性があります。まずはプロバイダの会員ページや公式サイトで、対応状況を確認してみてください。
サーバーの地域を選び直す
ゲームによっては、接続するサーバーの地域を選べます。物理的に遠いサーバーにつながると、Pingは必ず高くなります。 日本からプレイするなら、日本や近い地域のサーバーを選びましょう。
「Pingを下げるアプリ」について
「ラグ解消」をうたうアプリやサービスがありますが、家の中のWi-Fiの問題や、回線そのものの混雑を解決するものではありません。 海外サーバーでの経路改善を目的とした有料サービスもありますが、効果は環境しだいです。試す場合は、無料体験期間で効果を確かめてからにしましょう。
ゲーミングルーターは必要?
ゲーミングルーターには、ゲームの通信を優先する機能(QoS)などが付いています。ただし、効果があるのは 「家の中でほかの機器と通信を取り合っている」場合 です。
- 効果が期待できる人:家族が同時に動画を見ている、機器がたくさんつながっている
- 効果が薄い人:一人暮らしでPCだけを使っている、原因が回線やサーバー側にある
「ラグい=ゲーミングルーター」とは限らないので、切り分けをしてから検討するのがおすすめです(詳しくは「ゲーミングルーターは必要?」で解説しています)。
まとめ:お金をかけない対策から順番に
- fpsとPingのどちらが悪いかを確認する
pingコマンドで、家の中と回線のどちらに問題があるかを切り分ける- 家の中が原因なら → まず有線LAN。無理なら5GHz帯、メッシュWi-Fi、PLCを検討
- 回線が原因なら → IPv6(IPoE)への切り替え、サーバーの地域の見直し
- 機器の購入は、原因がはっきりしてからにする
ラグの原因は環境によってさまざまです。一つずつ確かめていけば、必ず手がかりが見つかります。
